06470 成蹊大学法学部法律学科に入学したい高校生が今からやっておくといいと思うこと
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オープンキャンパス3日目。
3日間のうち唯一、体験授業を担当していない日。
お昼前から個別相談ブースで来場する高校生と保護者に応対。
14:40から北島典子先生ご担当の学科ガイダンス、15:10から湯原心一先生ご担当の体験授業を参観。
終了後、何かご質問などあればご遠慮なくどうぞ〜、と言いつつドアの横に立ち、退室する方々にご挨拶していると、一組の父娘(Y.N.さん)からご質問。ゼミとはどのようなもので、どのようなことをやるのですか。
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確かに高校生には「ゼミ」と言ってもイメージしにくいですよね。
少人数の学生(一般的に数名〜20数名)が1名の教員(指導教授、アドヴァイザー)ともに知的アクティビティを繰り広げる研究コミュニティです。それぞれのトピックについて、学生同士で議論し、調査し、検討し、起案(論述)し、見解を組み立て、プレゼンし、検証し、見解を述べ合う。その過程で指導教授からヒントをもらったりコメントをしてもらったりしつつ、さらに議論を展開し、答えのない「問題」に対して「答え」を見出していく。そんな場です。
shioゼミ、ドラゼミでは、すべてを学生が進めます。完全に学生たちよって自律的に運営されているゼミです。
いつも学生たちが笑いながら、真剣に、ワイワイ、ガヤガヤ、ずっと議論を続け、それをゼミ長、副ゼミ長が交通整理。次回までの検討課題もゼミ長と副ゼミ長で設定してお開き。
shio.iconの関わりは限定的。議論が隘路に撞着した時など、学生たちが本当に前進できなくなったときにヒントを出すくらい。それまでは議論を聞いていますが口は出さない。黙って見守るのが教員の役割。
その後の1週間は、Scrapboxに各自の見解を書いたり、Discordで音声チャットをしながらScrapboxに書き合ったりしつつ、議論を続ける。ゼミというコミュニティによって知的に進展する毎日。 夏には4泊5日のゼミ合宿に行き、書いたり、コメントしたり、議論したり、ヨット、カヌー、カヤック、SUP、アーチェリーなどを楽しんだり。最終的に年度末の3月に『shioゼミ判例十選』、『詳解法的三段論法』という論文集を作成して1年が終わります。
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Y.N.さん父娘とそのまま教室で15分ぐらいやりとりをした後、研究室にお招きし、自宅焙煎コーヒーを召し上がっていただきながらさらに歓談。前日にshio.iconが行った体験授業の録画をご覧いただき、19:00過ぎ。せっかく東京に来たから秋葉原に行こうと思っていたけれど、shio.iconともっと話せる機会を優先してお夕食をご一緒することに。
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「入試までに何をしたらいいですか」という彼女のご質問にお答え。
入試は目標でなく手段なので、入試を目指すより、その先大学での学問に活かせる本当の実力を養うのがいい
それをしていれば、入試も自ずと通過点に過ぎなくなる
もちろん入試科目に対応する知識とスキルを得ることは必要
でも、大切なのは知識よりスキルを身につけること。地道にトレイニングを続けることによって「○○○を自分でできる」というスキルを会得し、そのクオリティを上げていくのが成長です
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では、成蹊大学法学部法律学科への入学を志望する高校2年生が今から入試、入学までの間に実践し身につけるべきスキルは何か。shio.iconが考えるのは以下のとおり。
言語力を鍛えましょう。大学の学問とその後の社会生活で最も必要なのは文章を「書く」力。その手段として「読む」力が必要。特に法律学科の4年間は、「条文」という厳密な日本語を正確に「読み」解き、法的三段論法というフォーマットに則って法的な文章を的確に「書く」訓練を続けますから、高校生のうちからその基礎体力を養っておくのが得策です。
そこで「読む」と「書く」を毎日継続しましょう。少しずつでいい。日本語と英語で。
日本語を読むのはとりあえず毎朝、新聞を誌面レイアウトで読む。例えば日本経済新聞は、電子版は月額4,277円、紙媒体は4,900円。shio.iconは電子版をiPadで誌面レイアウトで読んでいます。
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少しでも不確かな単語や表現があったらどんどん辞書を引くこと。新明解国語辞典がベストです。辞書 by 物書堂アプリで、アプリ内購入すれば、自分のMac/iPhone/iPadすべてで使えます。 読み終わったら紙面を閉じて、読んだ内容を書く。Scrapboxに自分専用のプロジェクトを作り、毎日そこにMacで書いていけばいい。書く過程で不確かな内容があれば、紙面を再度読み、紙面を閉じてからまた書く。 学校の授業も受けっぱなしではなく、毎日授業内容を思い出して自分でその「教科書」を書く。教科書とは与えられるものではなく、授業後に自分で書くものです。
タイピングは完全タッチタイピングで。キーボードのホームポジションに置いた両手の上にタオルをかけた状態ですべての文字、数字、記号を入力できるタイピング。できなければ即刻練習を始めましょう。早い人は三日、遅くとも2週間で身につきます(それ以上ダラダラやっていると永遠に身につきません)。 英語を読むのは雑誌がいいと思います。例えばTIMEなら月額656円、年額6,561円。 https://gyazo.com/8541e7243217b522eb2db26aaa809249
英文を書くのは日記でいかがでしょうか。Scrapboxの自分専用プロジェクトに日記を英語で書いていけばいい。
英語ももちろん辞書を引きまくること。辞書を全部読む勢いで。英和辞典、和英辞典、そして易しい英英辞典がベストです。これも辞書 by 物書堂で購入できます。 書いたものは日本語も英語も、できるだけどなたかに読んで(できればコメントして)いただきましょう。Scrapboxなどに公開でwebに書くのもとてもいいトレイニングだと思います。どこかにリンクを張らない限り検索されることはありませんから、読んでいただきたい人にだけリンクを伝えればOK。
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法律学の面白さを一人でも多くの方々に実感していただきたい。ぜひ法律学を学ぶ学生が増えてほしい。
それがたまたま成蹊大学法学部であれば、ぜひ大学でお会いしましょう。11月には学園祭(欅祭)がありますので、ぜひまた大学の雰囲気を味わいにいらしてくださいね。お待ちしています。
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